初心者向け投資の基礎【株式、少しFXなど】

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最近は世界的に経済も不透明で投資を始めるにはなかなか勇気が要りますが、ほぼ0%の預金金利が続いている中では投資を考える方も多いかと思います。そこで、投資に関する基礎知識を簡単に書いてみたいと思います。

目次
1.株、FXの始め方
2.株価の指標
3.株とかFXって儲かるの?
4.何を買えばいいの?

1.株、FXの始め方
株やFXは実は非常に簡単に始められます。新興系のネット証券はもちろん、大手証券会社であっても今やネットで資料を請求して申込書を送ればすぐに口座が持てて取引できます。流れは以下のようになっています。

①ネット上で申し込み:個人情報、銀行口座等を入力
②申込書を送付:ネットから印刷して送付するか、資料を郵送でもらって返送できます。免許証等のIDの写しが必要です。
③口座開設完了:電話での確認等がある場合もあります。
④ネット上の口座での入力事項や確認事項:注意事項や契約書等を確認します。
⑤入金して取引:連携している銀行口座なら即時入金も可能なところが多いです。普通は多少タイムラグがあります。

色々考えるより実際に口座を開いてみた方がよく分かります。口座を持つだけなら無料のところが多いのでいくつか開いてみるのをおすすめします。大手証券会社は口座管理料などがかかる場合もありますが、いくつかの登録等で無料になる特典もあります。

おすすめの証券口座
ネット証券系:共通して取引手数料は安くFXのスプレッドは小さめ
GMOクリック証券:サイトが見やすい、IPO取扱は少ない、アナリストレポートなどは少ない
マネックス証券:サイトが使いやすい、IPOもそこそこある、アナリストレポートも比較的充実
SBI証券:サイトはやや使いづらい、コラムなどが多め
松井証券:シンプルで使いやすいサイト、少額で取引回数が多い場合はおすすめ

大手証券会社:取引手数料は高い、サービス充実、支店等での相談も可能、IPO取扱が多い
大和証券
野村證券

どこも一長一短ありますが、これから始める方はネット証券系が多いかと思います。運用する金額が大きい場合は優遇がよくなるので大手証券会社もおすすめです。

いくつか口座を開いて、メインで使う口座は一つに決める。他の口座は情報収集用として使うのが便利だと思います。複数口座で取引すると、税金関連で手間が増える場合があります。
あと、口座を開くとポイントがもらえたりするので、クレジットカードのサイトやポイントサイトを経由して少しでも得しましょう。証券会社のキャンペーンも多いのでタイミングも少し見てみるといいと思います。

2.株価の指標
これは解説しているサイトも多いのでそちらを参照してください。株価が割高か割安かを、その企業の実績から判断する指標です。ただしこの指標で割安だから買いといった単純な話ではありません。割安、割高な理由はなぜか、背景を調べてみましょう。
-参考になるサイト
man@bow:日経新聞と野村ホールディングスが運営しているサイトで、基本的な経済関係の説明をしています。市況の見方などは自分で判断するとして、歴史や用語の解説などは分かりやすくためになります。指標はここなどで書いてあります。

日本証券業協会-株式投資入門:基本的なことはほぼ全て網羅しています。根拠などは省略しているので、詳しく知りたい場合はさらに調べる必要があります。

3.株とかFXって儲かるの?
これについて詳しく議論するにはかなり勉強する必要があります。私もいくつか新書を読んだり、証券アナリスト試験などで勉強した程度で十分に理解したとは言えません。ただ、いい加減なサイトで「必ず儲かる方法!」とか「必勝法!」みたいなことを書いていることに引っかかる人が一人でも居なくなって欲しいという思いで少し書いてみます。主に参考にしたのは”金融工学、こんなに面白い(野口悠紀雄)”です。

-基本的に市場より儲けることはできない
現在の市場は公開されている情報が全て株価に反映されていて、新しい情報が出てもすぐに変動するので理論的に正当な価格になる。これを市場が効率的であるといいます。短期的に市場より儲かったとしてもたまたまだと考えるのが妥当でしょう。ちなみに反映されていない情報を持っていて買えばこれを破ることができますが、それはインサイダー取引となり違法になります。現在の市場はほぼ効率的で、効率的にならない部分は法律で規制されているという感じです。
とはいえ、過去に何度も正当と思えない水準に上下しているのはご存知の通りなので、本当に正当な価格かどうかは怪しいところです。ただ、少なくとも次の動きを予想できる人は居なそうだというのも実感できると思います。著名な経済学者がことごとく予想を外していますし、私達が彼らより精通していて賢いとは到底思えません。なので、予想して他者を出し抜くのは不可能だと思った方がいいでしょう。

-リスクプレミアムの分だけ儲けられる
例えば、サイコロを振って6なら600万円、それ以外は0円という賭けがあった場合、期待値は100万円ですが、この賭けの参加料が100万円だと参加する人はそれほど多くないのではなでしょうか。もちろん博打好きで参加する人も要るかとは思いますが。金額や確率によってこの辺の選好は変わりますが、大まかに、人は損をしたくない気持ちの方が得をしたい気持ちより大きい傾向にあるようです。そこで、株のような値下がりリスクのある資産については全体としては少し儲かるようになっていないと誰も買いません(リスクプレミアム)。ですから、リスクの有る資産を買う分だけ儲かる、リスクプレミアム分だけ儲けられると考えられます。

-リスクは管理できる
じゃあリスクの高い株ばかり買えばいいのかというと、そういう訳ではありません。無駄なリスクを取らずに、リスクの高い資産と低い資産を上手く組み合わせることで期待収益率を最大化できます。詳細は金融工学をしっかり勉強する必要がありますが複数株に分散するだけでもリスクは軽減されます。

-過去の値動きは関係ない
よくチャートの読み方とか、値動きを読むなどといいますが、値動きはランダムです。どこにでも規則性を見つけたくなるのが人情ですが、株価はランダムです。

4.何を買えばいいの?
上記の書き方では夢がありませんが、業界とそれぞれの株を徹底的に調べて買うことは、値上がりするかどうかは別として非常に大事だと思います。なぜなら調べて理解した株は、値上がりした場合も下がった場合も売るか買うかの決断を迷わずにできるようになるからです。この程度の利益が出れば十分と思って投資した以上になれば迷わずに売れますし、期待していた事業が失敗して下がった場合は潔く売れるはずです。また、株を持っているだけでその業界や企業の動向に敏感になり、経済ニュースも注意して見るようになると思います。

何を基準に買うか
応援したい企業を買う
・自分の興味のある分野で買う
・自分にとって身近な分野で買う
これらが重要だと思います。本来の株式会社の原点である、出資する、会社の持ち主の一人になるという意味で探しましょう。他人を出し抜いて儲けるのは不可能です。この企業が発展してくれたら嬉しいと思う企業に投資しましょう。

注意点としては
手数料の無駄に高い、中身の分からない投資信託などに投資しない
ことが大事です。優良な投資信託はリスク管理の組み合わせが上手く効果的かもしれませんが、基本的に市場以上に儲かることはないので手数料分無駄になります。各種指数連動型の投資信託もネット証券等で買えるので手数料の高いものを選ぶ意味はまずないでしょう。投資信託だと株主になるという醍醐味を味わえない点もマイナスです。銀行等は手数料の儲かるこの辺りの商品を勧めますが、買うにしてもしっかり吟味して手数料が妥当なのか確認してください。

また信用取引で、売りから入ることも可能ですが倍率が大きくなったり、売りが殺到して利息が高くなったりする場合もあるので注意が必要です。まずは現物取引から始めるのをおすすめします。

FXについても倍率が大きいことと、思い入れが持てないこと、株に比べても完全にランダムなことからなかなか難しいと思います。また、為替取引では基本的にリスクプレミアムが存在しないと言われています。リスクが大きそうなのに、という感じもしますが、ある通貨を買うと相手側は逆の通貨を買うことになり、同じくリスクを取っているというような感じです(もう少し議論のある内容ではありますが)。なのでリスクプレミアム分を儲けるという期待ができず長期的には難しくなります。

最後に投資関連の情報等ではどこでも書いてあることですが、投資は自己責任です。最終判断は自分で行って、結果も自分で受け止めましょう。




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