フォートナム&メイソンは、イギリス土産のビスケットや紅茶で有名ですが、二階に食器、雑貨売り場があって、かなり楽しいフロアです。
エレベータを降りてまず目に入ったのは、イギリス陶磁器の代表、Wedgwood、今まで見たことないデザイン、新作かな?
奥の長いテーブルにあるヨーロッパ食器たち。この金のペイントされているのはちょっと東欧風。
こちらのブランドは初めて見ましたが、Herend(ヘレンド)というオストリアのブランド。
これはほんとに今まで見た一番美しい食器、心が奪われました! フォートナムメイソンの食器の中でも断トツ美しく、格式を感じる気品の漂う食器!
調べてみると、かなり歴史のあるヨーロッパで愛されて来た名門食器。
ヘレンドの歴史(公式サイトから引用)
創業は1826年、ヨーロッパ全土がナポレオン戦争から開放されて平和が戻り、様々な産業が各地に興り始めた頃でした。
ヘレンドはハンガリーの首都ブダペストの南西120kmほどの、緑豊かな田園風景の中で、近くには中央ヨーロッパ最大の湖、バラトン湖があります。
最初の公的デビューは1842年の第一回ハンガリー産業博覧会でしたが、作品の水準の高さにウィーンのロスチャイルド家がヘレンドに投資を始めます。その後のヘレンドに常にロスチャイルド家が見え隠れする理由です。1851年ロンドンで行われた世界初の世界万国博覧会でヘレンドは初めて国際的な檜舞台を踏み、そこで英国のヴィクトリア女王と出会う僥倖に恵まれます。
女王が見初めた中国風絵柄のディナーセットはウィンザー城の食卓を飾ることになり、それが現在『ヴィクトリア』と呼ばれるパターンになりました。これを契機にヨーロッパ各地の王侯貴族の間でヘレンドが広まってゆきました。
1864年に由緒あるウィーン窯が閉窯した時、フランツ・ヨーゼフ皇帝の命で、すでにハプスブルク宮廷に出入りがあったヘレンドに『ウィーンの薔薇』が継承され、宮廷遣いの食器等を引き受けることになりました。
現在でも人気パターン『ウィーンの薔薇』はそのうちのひとつです。開窯に次ぐ第二の出発点です。
1867年のパリ万国博覧会は、日本の漆器や浮世絵などが初めて大々的に展示され、ジャポニスムが大流行のきっかけを作ったことで有名です。
ヘレンドもここで『インドの華』を出品しました。
『インドの華』はナポレオン3世妃ウージェニに気に入られ、万博視察でパリ滞在中のフランツ・ヨーゼフ皇帝をもてなすのに買い上げられて、ヘレンドにとって記念すべき年になりました。
そして1873年はウィーン万国博覧会で、日本の明治政府が初めて公式参加した博覧会でした。
日本庭園も造園され、宮大工が削ったカンナ屑を皇妃エリザベートが珍しがって持ち帰ったと言うエピソードが残されていますが、諸外国からの来訪者の多くの狙いは、伝説的な美女皇妃エリザベートをひと目見ることだったとも伝えられています。
皇妃エリザベートはハンガリーを愛し、滞在した宮殿を「ゲデレ宮殿」といい、フランツ・ヨーゼフが宮殿用に皇妃に贈った絵柄は後に「ゲデレ」と呼ばれるようになります。
こうしてヘレンドは、19世紀後半のヨーロッパを彩る三人の皇妃たちに愛され、独特の世界を築きました。特に当時各地の万国博覧会で多くの賞を獲ったヘレンドのシノワズリは、21世紀の今日、テーブルウエアからアクセサリーなどそのファッショナブルな魅力を多彩な世界で展開しています。
ティーカップの口の波型がほんとに可愛い!欲しいと思い値段を見たら、カップとソーサーで120ポンドもする!! 高いっ!
違う絵柄のヘレンド。 こちらの落ち着いた色の方が好きかも。
ティーカップの蓋に手の込んだ薔薇の飾り。 すべて手で絵を書いて(Hand Painted)るらしい。
カラフルな派手目のお色もあります。
こちらはBristol China というブランド、ヘレンドと比べるとすごく手頃に見えるが、お皿一つで約17ポンド。
ピンクの薔薇シリーズは華やかでフェミニンで可愛い。一緒に行った友人もお気に入りの様子。
薔薇はちょっと派手過ぎという人に、紫色の小花のシリーズもあります。
フォートナム&メイソンで食品フロアだけではなく、ぜひ食器の階も楽しんでください。